旧宛陵寺跡
今福から仏坂をぐんぐん登りつめた山の中腹に、ひっそりと立ち並ぶ宗家松浦家累代の供養塔。
梶谷城と海を眼下に見下ろすこの場所に、松浦家の始祖、源久公は館を築きました。久公の没後、1152年に天漸院という寺が建立され、その後宛陵寺となり、宗家松浦家累代20余基の供養塔が築かれるなど菩提所となっています。
林のなかに威厳を保ちながら整然と並んだ供養塔。数百年前の空気をまとっているかのような不思議な空間です。石垣や白壁がそのまま残っています。
昭和29年、地滑り地帯の指定を受けため宛陵寺は現在の場所に移転。第十一代源延公から、住職にあてた寄進状など松浦家に関連する貴重な古文書を1巻にまとめた宛陵寺古文書や、想像上の動物や植物などが描かれた89枚の天井絵などの文化財を保管しています。